2018年6月30日

【検証】64GB microSD カードの性能比較をしてみた


スマホとタブレット用に microSD カードを買いました。

microSD を選ぶ時には、メーカーが言う最大転送速度などカタログスペックに目を向けがちですが、読み込みは速いけど書き込みが遅いといった場合もあり、実際のところあまり当てになりません。結局どの SD カードが一番いいのかは使ってみないと分からないので、64GB で同じ価格帯の microSD カードをいくつか購入して性能を比較してみました。

比較した microSD カード


サムスンのみ「UHS スピードクラス 3 (U3)」対応、それ以外は「UHS スピードクラス 1 (U1)」対応となっています。サンディスクは「アプリケーションパフォーマンスクラス 1 (A1)」にも対応しています。

測定方法


PC および Fire HD 8 タブレットで測定を行いました。

PC では USB 3.0 のカードリーダー (Transcend TS-RDF5K) を使用し、CrystalDiskMark で microSD の速度を測定しました。シーケンシャル(連続したデータ)アクセスとランダムアクセスが計測されます。測定に使用した PC の性能がボトルネックとなり、測定値は microSD の最大性能ではない可能性があります。結果はあくまで同一条件下での比較として見てください。

Fire HD 8 では Android アプリの A1 SD Bench を使用した計測を行いました。計測ごとの誤差が大きかったため、何度か測定を行い、近い数値が二回出た場合にその結果を採用することとしました。またベンチマークの結果が妥当かどうかを確認するため、ファイルマネージャーアプリを使用して、内部ストレージから microSD への 1GB のファイルのコピーにかかる時間をストップウォッチで測定しました。

測定結果


CrystalDiskMark のベンチマーク結果

トランセンド
シリコンパワー
サムスン
サンディスク

読み込みでは、どの microSD もほぼ同じ速度で、大きな差は出ませんでした。

書き込みでは、シリコンパワーとサムスンが 50MB/s 前後、トランセンドとサンディスクが 39MB/s 前後という結果になり、書き込み性能で二つのグループに分かれました。

A1 SD Bench の測定結果

CrystalDiskMark の結果と速度差の傾向はほぼ同じでした。しかし PC での測定と比べると、読み込みの速度は同程度でしたが、書き込みの速度は全体的に低くなっていました。これはカードリーダーの性能による差、もしくはベンチマークの計測方式に違いがあるためだと思われます。

1GB ファイルのコピーにかかる時間の測定結果

ファイルのコピーによる実測もベンチマークの結果に準じた結果となりました。ベンチマークの結果は概ね妥当な数値と見て良さそうです。

結果から分かったこと


シーケンシャルの読み込みは、どの SD カードもほぼ同じでハッキリした差はありませんでした。おそらくスマホやタブレットで実際に使用するときには体感的な差はほとんど感じられないレベルだと思います。

一方、シーケンシャルの書き込みでは大きく二つのグループに別れました。速い方のグループが「シリコンパワーと「サムスン、遅い方のグループが「トランセンドと「サンディスクでした。1GB ファイルのコピー結果からも分かるように、内部ストレージから microSD にファイルをコピーする場合などにはある程度の差が出そうです。しかし、ファイルを一度保存してしまえば読み込み速度はどれも変わらないので、コピーにかかる時間さえ気にしなければ、写真や動画などの保存先としては大きな差はないとも言えるかもしれません。

ランダムアクセスはそれぞれの SD カードで性能が異なっていました。ざっくり言うと、比較的読み込みで速いのが「サンディスク」、書き込みで速いのが「シリコンパワー」でした。microSD を外部ストレージとして写真や動画などのデータ保存に使う場合にはランダムアクセス性能はあまり気にする必要はありませんが、アプリを SD カードにインストールしたり、Android 6.0 以降の機能で SD カードを内部ストレージ化して使う場合には動作速度に影響します。今回比較した中ではサンディスクの microSD のみアプリを動作させるのに適した A1 規格に対応しています。シリコンパワーはランダムライト性能ではサンディスクを上回っていたため、特定の条件では処理が速い可能性はありますが、実際の使用では読み込みの頻度の方が高そうな気がするので、やはりそのような用途にはランダムリードの速いサンディスクを使うのがいいのではないかと思います。

以前に行った 32GB の microSD 性能検証の結果と今回の結果を比較すると、全体的に容量が大きいものほど性能も良い傾向にありました。また、各社ごとの microSD の性能は、容量が違っていても大体同じ傾向にありました。32GB で速ければ 64GB でも同じように速いようです。ただし、サンディスクのみ 64GB では下位モデルの「SanDisk Ultra」を使用し、32GB の検証では上位モデルの「SanDisk Extreme」を使用したため、こちらは性能に大きな差が見られました。SanDisk Extreme は値段が少し高めですが、やはり速度は圧倒的に速いようなので、絶対的な性能を求めるなら上位モデルのこちらをおすすめします。

まとめ


外部ストレージとして使うなら、性能的に「シリコンパワー」か「サムスン」がおすすめです。「トランセンド」と「サンディスク」は書き込みが多少遅いものの、ファイルの読み込みでは大きな違いは無さそうなので、そこを割り切れば価格によってはアリかもしれません。

SD カードを内部ストレージとして使う場合には、ランダムリードの速い A1 対応のサンディスクを使用するのが適切かと思います。

関連記事:
Fireタブレットに最適な microSD カードはどれ?【検証してみた】

1 件のコメント:

  1. 10年以上前に会社で至適のSDカードを調べるために片っ端(ノーネームドメーカー含む)から購入して実測して検討してみましたね.
    目的は定期的(外部トリガーで1秒以内に1回シャッターを押す)にカメラで撮影をカード限界まで撮影できるカードの検討 ※大概記録が追いつかなくなる
    で,その際の結果はSunとトランセンドの2強でした.日本メーカーは軒並み駄目すぎた.
    意外なのはちょっとアングラ?な上海問屋のSDも結構よかったです.
    私的になカードを探し始めたので実測値がのってるサイトがないかな,と思い本サイトを見てみました.

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