2016年7月22日

au 版 iPhone 5s を UQ mobile で使う時の設定方法


au 版 iPhone 5s を UQ mobile で使ってみました。

UQ mobile はいわゆる格安スマホ・SIM と言われる MVNO の一つです。KDDI グループの UQ コミュニケーションズが au の回線を借りて提供しているサービスで、まぁ au の妹みたいなものです。使用しているのが au 回線のため、au 端末に UQ mobile の SIM を入れて接続設定をすると、SIM ロックされていてもそのまま使える場合もあるようです。

手持ちの au 版 iPhone 5s の対応について調べたところ、UQ mobile 公式サイトの動作確認端末一覧には特に記載がなく、動作確認対象外の扱いになっていました。しかし実際に au iPhone 5s で試してみた方々の情報では、どうやらテザリング以外は使えているようです。

それなら自分もやってみようということで、au からの MNP で UQ mobile を契約し、手持ちの au iPhone 5s に UQ mobile の nanoSIM を入れて使ってみました。

その初期設定の手順をまとめておきます。

*追記 (2017年07月30日)
UQ mobile の動作確認端末に au 版 iPhone 5s が追加されました。現時点での動作確認環境は iOS 10.3.3 + nanoSIM(専用)となっています。iOS 10.1 以上で iPhone 専用 SIM を利用した場合、APN 構成プロファイルはインストール不要でテザリングもできるようです。(専用 SIM ではない通常の LTE 用 nanoSIM でも、本記事の内容通りに設定を行えばテザリング以外は利用できます。)

関連記事:
UQ mobile、au 版 iPhone 5s でテザリングが可能に


事前準備


1. APN 構成プロファイルの用意
http://www.uqwimax.jp/support/mobile/guide/apn/ios2.html
上記サイトを Safari のブックマークに登録するなどしておきます。このサイトにある iPhone 5s 用の APN 構成プロファイルをインストールすることで、UQ mobile 経由のデータ通信ができるようになります。同じページ内の iPhone 6 以降用のプロファイル 2.0 の方をインストールしてしまうと、回線接続と SMS 送受信に問題が起きる場合があるので、間違えないように注意してください。
サイトからプロファイルをインストールするにはインターネットに接続しなければならないため、Wi-Fi でのネット接続が必要になります。
(事前に PC でサイトからプロファイルを保存し、ファイルをメールに添付してキャリアメール以外のメールを使って iPhone に送信しておけば、オフライン状態でもプロファイルのインストールをすることは可能です。)

2. データのバックアップ
設定作業の過程で連絡先などのデータが消える可能性があるため(実際消えました…)、UQ mobile に切り替える直前に必ず iTunes や iCloud にバックアップを取ってください。
キャリアメール (@ezweb.ne.jp) は au を解約すると iTunes や iCloud のバックアップからの復元でも元には戻せないので、必要なメールは個別に Gmail に転送するなどしておきましょう。
連絡先のバックアップは「連絡先 バックアップ - IS Contacts Kit」などのアプリを使うと保存と復元が簡単にできます。こちらも念のためにやっておいた方が安全です。

UQ mobile の SIM 取り付けと APN 構成プロファイルのインストール


以下の手順に従って設定を行います。

1. 電源を切って UQ mobile の nano SIM に入れ替える。

2. 「設定」→「一般」→「プロファイル」で au のプロファイルを削除。

3. UQ mobile の APN 構成プロファイルをインストールして再起動。

しばらく様子を見て、接続が 4G で安定しているようであれば設定完了です。
電波状況のいい場所でも 1x 接続になるなど、4G 接続が不安定な場合は以下を実行。

4. 「設定」→「一般」→「リセット」→「すべての設定をリセット」で再起動。

リセット後に設定を戻すのは面倒ですが、接続が不安定な場合には「すべての設定をリセット」をしないと直らないようです。(「ネットワーク設定をリセット」では効果がありませんでした。)

PRL の更新


PRL(ローミングエリア情報)とは、主に海外でローミングを利用する場合に使われる情報です。しかし、海外だけでなく、国内で使用する電波についての情報も含まれており、最新の状態に更新することで、機種によっては電波の掴みが良くなることがあるようです。iPhone 5s でその恩恵が受けられるかどうかは分かりませんが、海外に持って行く場合もあるかもしれませんし、一応更新しておくのがいいかと思います。ちなみに UQ mobile では海外ローミングで通話と SMS が利用可能です。

以下の手順で PRL の更新を行います。

1. 日本国内から「*5050」宛に電話発信し、自動応答のメッセージを聞いて電話を切る。

2. しばらく待ち「au ICカードのデータ更新が完了しました。」の表示が出るのを確認して「了解」をタップ。

こんな画面が出ます

3. 電源を一度オフにしてから再起動をする。

起動したら更新完了です。

設定 > 一般 > 情報の中の「キャリア」部分を何度かタップすると PRL のバージョンの確認ができます。
通話 + データ高速プランの nanoSIM では現在の最新は「10010」のようです。


これで初期設定は完了です。

UQ mobile を使う上での注意点


回線接続について
電波状況の悪い場所では回線接続が 1x になり、データ通信ができなくなることがあるかもしれません(1x でも通話は可能)。au 契約の場合は 1x になる場所でも 3G のデータ通信が可能なため、全く通信できなくなることはないのですが、UQ mobile の場合はデータ通信は 4G LTE のみを利用しているので、データ通信を使うには 4G で接続できる場所に移動する必要があります。とはいえ au のサービスエリアマップを見ると 3G と 4G LTE の範囲はほぼ重なっており、LTE のカバー率はかなり高いので、ギリギリ電波圏内レベルの僻地でもない限りは、影響を受けることはほとんど無いと思います。

テザリングについて
UQ 版の iPhone 5s は専用 SIM を使っており、テザリングも可能となっています。しかし au 版 iPhone 5s + UQ SIM ではテザリングを有効にできないため、基本的にテザリングは使用できません。ただし、au のテザリング契約をした SIM を使ってテザリングを有効にした後、UQ の SIM に入れ替えることで、au 版 iPhone 5s + UQ SIM でもテザリングを使えるようにする裏技はあるようです。テザリングについては情報が混乱しがちだと思うので、間違えないように注意してください。

*追記 (2017年07月30日)
au 版 iPhone 5s でも専用 SIM を利用すればテザリングが可能になりました。

関連記事:
UQ mobile、au 版 iPhone 5s でテザリングが可能に

メールについて
有料オプションのメールサービス(@uqmobile.jp のメール(MMS))は、メッセージアプリからの送受信が可能です。(au のキャリアメールのようにメールアプリでの利用はできません。)

関連記事:
iPhone の UQ mobile メール(MMS)初期設定方法

UQ mobile を使ってみての感想


今までずっと au を使っていて MVNO を使ったのは今回が初めてでしたが、まず驚いたのは、体感的に au で使っていた頃と全く変わらなかったということです。キャリアと比べて料金がかなり安いので、通信速度はそれ相応に遅かったりするのでは?と思っていましたが、全然そんなことはなく、速度は au と同じレベルでした。

通信に使われるのは au の電波なので、当然電波の掴みも移行前と変わらず、今のところ不満を感じるところはありません。正直 MVNO については「なんかよく分からないけど料金が安い」くらいの認識しかなかったので、使ってみるまでは本当に大丈夫なのかなと不安もありましたが、いい意味で予想を裏切られました。UQ mobile は au と比べても通信品質に遜色はなく、なかなか良さそうです。

おわりに


何はともあれ、もう MNP を済ませて引き返せない状態だったので、ちゃんと使えて本当によかったです(^_^; 万が一ダメなら SIM フリーの iPhone SE でも買うしかないところでしたが、しばらくは iPhone 5s のまま行けそうです。

端末をそのまま使えたことも助かりましたが、通信費の方も大幅に節約できました。契約したのはデータ高速+音声通話プランで、基本料は月額 1,680 円です。通信の品質はほぼ同じまま通信費は今までの 1/3 程度になり、移行のメリットはとても大きかったです。

ちなみに MNP をしたのは契約更新月ではありませんでしたが、au は 10 年以上使っていたので契約解除料はかかりませんでした(今までありがとう au …)。

MVNO はキャリア並みのサポートは期待できませんし、使うにはそれなりに設定などの知識も必要になりますが、とにかく料金を安くしたい au iPhone 5s ユーザーは、UQ mobile への乗り換えを検討してもいいんじゃないかなと思います。

関連記事:
au iPhone 5s が UQ mobile で使えるように!?

*追記 (2016年08月31日)
mineo のスタッフブログによると、最近 au 網への接続方法に何らかの変更が行われ、以前は不安定で動作確認対象外だった au iPhone 5s (iOS 9.3.5) が mineo で安定動作するのを確認できたようです。
UQ からは特に発表などはありませんが、基本的な接続の仕組みは UQ も mineo と同じはずなので、UQ mobile でも安定動作するようになったと思われます。実際に自分の端末でも通話、SMS、データ通信は共に問題なく使えています。

*追記 (2016年09月14日)
iOS 10.0.1 にアップデート後も iOS 9.3.5 と同様に使用できました。iOS 10 へのアップデートを行っても問題はなさそうです。

*追記 (2016年11月23日)
au iPhone 5s の対応状況から内容が古くなった部分の加筆修正を行いました。

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