2017年12月11日月曜日

Fireタブレットに最適な microSD カードはどれ?【検証してみた】

Fire タブレットは microSD カードを使うことで、本体のストレージ容量が少ないモデルでも簡単に容量を増やすことができます。Amazon ビデオや Kindle 本のデータを SD カードに保存しておけば、外に持ち出せるコンテンツが増える上、本体が容量不足になるのも避けられます。内部ストレージの少ないモデルを使う場合は、SD カードはほぼ必須と言えるかもしれません。

人によってベストな容量は違うと思いますが、自分は 32GB の SD カード(実売価格 2,000 円前後)を使っています。Amazon でベストセラーと書いてあったものを買ってなんとなく使っていましたが、これ、性能的には他のと比べてどうなんだろう?と疑問に思ったので、32GB の microSD をいくつか入手して速度を比較をしてみました。

用意した microSD カード


上から 3 つが「Class 10」「UHS Speed Class 1」対応、一番下の SanDisk は上位モデルの製品で「UHS Speed Class 3」「Application Performance Class 1 (A1)」「UHS Videos Speed Class 30 (V30)」対応となっています。

測定環境


PC および Fire HD 8 (2016) で測定を行いました。

PC では USB 3.0 のカードリーダー (Transcend TS-RDF5K) を使用し、CrystalDiskMark で microSD の速度を測定しました。シーケンシャル(連続したデータ)アクセスとランダムアクセスが計測されます。測定に使用した PC の性能的な要因から、測定値は microSD の最大性能ではない可能性があるため、結果はあくまで同一条件下での比較として見てください。

Fire HD 8 では Android アプリの A1 SD Bench を使用した計測と、ファイルマネージャーアプリを使用して、内部ストレージから microSD への 1GB のファイルのコピーにかかる時間をストップウォッチで測定しました。

測定結果


CrystalDiskMark のベンチマーク結果
トランセンド(UHS スピードクラス 1)

シリコンパワー(UHS スピードクラス 1)

サムスン(UHS スピードクラス 1)

サンディスク(UHS スピードクラス 3)

読み込みでは、シリコンパワーのランダムリードが若干遅い以外は、どれもほぼ同じ数値が出ました。読み込みに関しては、どの microSD もそれほど大きな差はないようです。

書き込みに関してはそれぞれに異なる傾向がありました。

シーケンシャルライト (Q32T1) の結果は速い順に以下のようになりました。

サンディスク (UHS 3)    54.65 MB/s
サムスン (UHS 1) 34.44 MB/s
シリコンパワー (UHS 1) 28.23 MB/s
トランセンド (UHS 1) 25.22 MB/s

やはり UHS スピードクラス 3 の SD カードは規格通り速いようです。UHS スピードクラス 1 の SD カードではメーカーによって書き込み速度がそれぞれ異なり、UHS 1 の中ではサムスンが最も速い結果になりました。

ランダムライト (Q32T1) の結果は速い順で下記のようになりました。

シリコンパワー (UHS 1)    3.317 MB
サムスン (UHS 1) 2.643 MB
サンディスク (UHS 3) 2.466 MB
トランセンド (UHS 1) 1.354 MB

シリコンパワーはランダムリードが他より遅い反面、ランダムライトは一番速いという結果になりました。トランセンドはシーケンシャルライトに続きランダムライトでも最下位で、書き込み性能が全体的にあまり良くないようです。

A1 SD Bench の結果
トランセンド

シリコンパワー

サムスン

サンディスク

結果は速い順で以下のようになりました。

Read Write
サンディスク    63.47 MB/s   53.24 MB/s
サムスン 47.97 MB/s 31.67 MB/s
シリコンパワー 45.89 MB/s 27.39 MB/s
トランセンド 36.24 MB/s 22.49 MB/s

読み込みも書き込みも、順当に UHS 3 のサンディスクの速度が一段上という結果になりました。UHS 1 の中ではサムスンが最も速い結果となりました。

PC での測定ではあまり差が出なかった読み込み速度も、Fire HD 8 でアプリを使って測定をした場合には、ある程度の差が出ました。ベンチマークの計測方式が異なっている可能性もありますが、PC で使用した場合よりも、実際にタブレットで使用する場合の方が microSD の性能差は大きく出やすいのかもしれません。

1GB ファイルのコピーにかかる時間の測定結果

サンディスク    20.71 秒
サムスン 37.40 秒
シリコンパワー 42.07 秒
トランセンド 54.60 秒

ファイルコピーの実測でもサンディスクが圧倒的に速い結果になりました。ファイルコピーの結果は、A1 SD Bench の Write 結果にほぼ準じたものになっており、A1 SD Bench のベンチマーク結果は概ね妥当な数値が出ているようです。

結果から分かったことなど


まず、これまで自分が使っていたのはトランセンドの microSD だったのですが、今回の検証により同クラスの microSD の中では最も遅いものであることが判明しました(^_^; 実用上は大きな問題もなく普通に使うことはできますが、ファイルをコピーする時や読み込み時には確かに少しもたつく感じがあります。この microSD カードはベンチマーク結果もいまいちだったので、性能的にはあまりオススメできなさそうです。

性能とコストのバランスを見た場合、安定してベンチマークの上位に入っていた Samsung EVO Plus が最も良さそうに思います。
ところが、このサムスンの microSD カードを Fire HD 8 で使用した場合、挿しっぱなしであるにも関わらず、時々「SDカードが不正に取り外されました」の表示が出ることがありました。


SD カードをよく見てみると、他社のものに比べカード自体が分厚く、また若干反っており、性能以前に物理的な形状の問題からカードスロット内で接触不良を起こしていた可能性が考えられます。しかし Fire (2015) / Fire 7 で使用した場合には全く問題がないことから、カードスロットによりカード形状に対する許容範囲が異なるのかもしれません。ネット上でもサムスンの SD カードで認識が不安定という書き込みをいくつか見かけたため、これは自分の買った個体のみの問題ではないような気がします。機種によるのか個体差なのか、何が原因かはっきりしたことは分かりませんが、おかしな挙動があったのは確かなので、個人的にはサムスンの microSD カードは手放しにはおすすめしにくいです。コスパはいいと思うんですけどね…。

次に SanDisk Extreme、これは UHS 3 対応の SD カードで、間違いなく読み書きの性能が抜群に高いです。とにかく速いのが欲しいという方にはおすすめの microSD カードです。安価に購入できる並行輸入品は、国内でメーカー保証が受けられないのが気になるところですが、大抵の場合は買ったお店で初期不良の交換(購入から1〜2週間以内)はしてもらえます。SanDisk は偽物も多く出回っているようなので、なるべく信頼できる店から購入して、購入後も念のためベンチマーク等で性能を確認した方が良いと思います。

残るシリコンパワー、こちらは性能はそこそこですが安定して使用できており、永久保証もあります。色々なことを総合的に考えた場合、今回検証した中では一番無難な選択肢かもしれません。

無難という点では今回の検証には含まれていない Amazon 公認の SanDisk Ultra もありますが、こちらは他の製品に比べ少々割高なので、コスト的にはあまりメリットはない気がします。とはいえ、世界大手の SanDisk 製で品質は良く、タブレットでの使用に十分なスペックもあり、 Fire での動作も確認済み(Made for Amazon 認定取得)なので、Fire で安心して使える製品であることは間違いないです。


まとめ


結論としては、メーカー保証を考えず性能で選ぶなら SanDisk Extreme、手持ちの機種で不具合が出ないことを祈りつつ買うなら Samsung EVO Plus、総合的に無難なのがシリコンパワー、という感じかなと思います。トランセンドも普通に使うことはできるので、価格によってはアリかもしれません。安心感を優先するなら Made for Amazon の SanDisk Ultra でも悪くはないと思います。

それぞれに一長一短があるので、どれが最適と言うのは難しいですね…(^_^;)

人によって何を重視するかは違うはずなので、様々な要素から判断して、自分にとってこれが最適だ、と思うものを使うのが良いのではないかと思います。

最後に、自分が買って検証に使った microSD がたまたまハズレ or 当たりのロットだっただけという可能性もあるため、必ずしも各製品の性能がこの検証の結果通りであるとは限りません。この記事の内容は参考程度に見てください。