海外版 Xperia の上位モデルの機種(X, XZ 等)は、KDDI が使用する LTE 周波数帯(バンド)の「Band 1 (2.1GHz)」「Band 26 (800MHz)」「Band 28 (700MHz)」「Band 41 (2.5GHz)」 に対応しています。
au 回線の主要周波数帯は au 4G LTE の「Band 1」と「Band 18 / 26」、UQ WiMAX 2+ の「Band 41」なので、この周波数に対応する端末であれば、au のサービスエリア内の大部分で LTE 回線を利用できるはずです。
ただし、グローバルモデルの Xperia では au の音声通話(および SMS)は利用できません。海外版 Xperia は au 3G (CDMA2000) に対応しておらず、LTE の音声通信サービス「VoLTE」の利用にもキャリア用にカスタマイズされたファームウェアが必要なため、海外向けの Xperia では au VoLTE も使えないからです。
しかし仕様的には au の LTE データ通信は使えるはずなので、mineo au プランのシングルタイプ(データ通信専用 SIM(VoLTE 非対応))を使用して、Xperia で実際に通信できるかどうか設定を行ってみました。
使用端末
Xperia X (F5121) Android 8.0 Customized GEL(ラテンアメリカ版)
設定方法
1.「設定」を開き「ネットワークとインターネット」をタップする。
2. 「モバイルネットワーク」をタップする。
3.「アクセスポイント名」をタップする。
4. APN 設定を以下のように入力して保存する。
名前: | mineo |
APN: | mineo.jp |
ユーザー名: | mineo@k-opti.com |
パスワード: | mineo |
認証タイプ: | CHAP |
5. 保存した APN 設定を選択。
6. ホーム画面に戻って「電話」アプリを開く。
7.「*#*#7378423#*#*」と入力して「Service Menu」を開く。
8.「Service settings」をタップする。
9.「Network Mode」をタップし「LTE_ONLY」を選択する。
* ネットワークモードを LTE Only にする設定は、電話アプリから「*#*#4636#*#*」を入力して「携帯電話情報」→「優先ネットワークの種類を設定」から行うこともできます。
設定は以上です。
設定後、再接続のため機内モードのオン・オフを行います。
接続の結果は
LTE に接続してデータ通信ができました。
テザリングも可能でした。
電話アプリから「*#*#4636#*#*」で接続中の電波情報などが確認できます。
LTE は Band 26 (EARFCN 8750) で接続されていました。
Band 18 / 26 はプラチナバンドと呼ばれる電波の届きやすい周波数帯で、このバンドに対応しているかどうかで建物内などでの電波のつながりやすさが大きく変わります。
プラチナバンドが掴めるなら圏外になる場所は少ないはずなので、au 回線でもデータ通信での使用には問題なさそうですね。
ちなみに au のバンド 26 に接続するには、端末が Band 26 + MFBI (Multi Frequency Band Indicator) 機能に対応している必要があります。Band 26 での接続が確認できたので、Xperia X は MFBI に対応しているようです。
バッテリーの異常消費も無し
LTE 接続をして 100% 充電の状態から 12 時間ほど放置してみましたが、12 時間後には充電量 97% で消費されたのは 3% でした。この程度なら通常の消費量なので、セルスタンバイ問題によるバッテリーの異常消費はなさそうです。(おそらく比較的新しい機種であればセルスタンバイ問題は対策済だろうと思います。)
海外版 Xperia でも mineo auプランのデータ通信は問題なく普通に使えそうです。
(追記)
後日、au VoLTE 対応 SIM に変更して同じように設定を行ったところ、VoLTE 非対応 SIM の時と同様に接続して使用することができました。データ通信のみの使用ではどちらの SIM でも違いは無いようです。
更新
この設定だとモバイルネットワークスタンバイのバッテリー消耗が激しくなりますよね?
返信削除バッテリー消費について試してみましたが、特に消費が激しいということはありませんでした。12時間待機で3%の消費だったので通常の範囲ではないかと思います。機種によっては異常消費が起きる場合もあるのかもしれませんが、Xperia X では大丈夫のようですね。
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